Center for Landscape Researhch, Kyushu Sangyo University

About

■景観研究センターの概要

 2019年秋から徐々に、そして2020年が明けてから世界中で一気に拡大した新型コロナウィルス感染症のパンデミックが、各国・地域でそれぞれに波状的な増減を繰り返してきました。2023年8月現在、依然として終息にはまだだいぶ時間がかかりそうです。私たちの景観研究センターの活動もコロナ禍の渦中あって、フィールドワークや研究会それにシンポジウムの開催等にさまざまな制約を受けています。それでも今年(2021(令和3)年)4月から19年目をむかえた景観研究センターは、その活動の灯を消すことなく、できることを確実に進めていきつつあるところです。

 学術フロンティア推進事業のテーマは「人間-環境系の媒体としての景観プロセスに関する学際的研究」であり、生態学、土木・建築、人文・社会学およびデザインの4分野で景観を扱う学内外・国内外の研究者により、おもに都市とその周辺地域の景観のあり方が追究されました。また各地の景観計画・まちづくりの実務に関わり、研究成果を実践に反映してきました。
 その後、本学の産業経営研究所ならびに学術研究推進機構のプロジェクト研究所として、これまでどおり景観実務の地域貢献を図るととともに、東アジアの文化的景観を扱うための要件を追究する課題を扱い始めました。

 この活動を基礎として、2012(平成24)年4月より、北部九州の窯業と文化的景観に焦点を絞り、その成立の要件を多面的に探って、陶芸・窯業に育まれた文化的景観を、まちづくりに活かす方策と、そのための技術の開発を行ってきました。この研究プロジェクトは、同年度の文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に採択され(2015(平成27)年3月まで)、「北部九州の窯業に着目した文化的景観の形成と保全に関する研究」というメインテーマで、景観研究センターの主要プロジェクトとして、取り組みが進められました。

 さらに2015(平成27)年4月からは、陶芸の里の文化的景観を、対照的な地域である小石原と小鹿田においてさらに掘り下げて扱うとともに、ひろく第2次産業/工芸の文化的景観を扱うために、木工の里である大川のまちづくりを取り上げました。また、2015(平成27)年12月からは、福岡市に隣接する新宮町の立花口区に現存する古民家の保存と活用に関する研究と実践に取り組んでいます。

 今般のコロナ禍は、私たちの環境・景観に対するかかわり方を、大きく問い直すことになるかもしれません。景観とかかわりの深い観光のありかたは、すでに大きな影響を受けています。そのような中で、本景観研究センターは、さまざまな通信技術も活用しながら、これまでと同様、研究の成果を社会に還元することを目指して、各地のまちづくりに積極的に取り組んでいきます。また、一般公開で実施される景観セミナー/レクチャーシリーズや、シンポジウム、市民講座などを、可能な限り実施していきます。景観の専門家でない方々にも、景観研究センターの催しや活動に、参加していただければさいわいです。

〈主な研究プロジェクト〉

2003年4月~2008年3月: 文部科学省私立大学学術研究推進事業・学術フロンティア推進事業「人間―環境系の媒体としての景観プロセスに関する学際的研究」
2008年4月~2014年3月:九州産業大学学術研究推進機構プロジェクト研究所
2010年4月~2011年3月:九州産業大学産業経営研究所研究プロジェクト「九州における文化的景観と観光地形成」
2012年4月~2015年3月:文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「北部九州の窯業に着目した文化的景観の形成と保全に関する研究」
2015年4月~2018年3月:日本学術振興会科学研究費助成事業(基盤研究(C))「小石原焼と小鹿田焼の里における文化的景観表象の分析と評価」
2016年5月~2019年3月:新宮町受託研究「東部地域における地域資源活用調査」
2021年4月~:九州産業大学KSU基盤研究費「新宮町立花口区の古民家保存・活用のための認証制度の開発」
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